その温もりだけで緊張感が増していくし、なによりついさっきあたしは充弘に抱きしめられていたのだ。


その事実に体中が沸騰しそうだった。


「ちょっと美知佳、やるじゃん」


一穂があたしに耳打ちをしてきた。


違う。


そんなんじゃない!


と言おうとするが、口をパクパクさせるだけで言葉にならなかった。


「なにしてんだよ、ドジだなぁ」


幸生が明るい声でそう言い、笑い声を上げたのだった。