あたしは隣を歩いている充弘にチラリと視線を向けた。


背が高いから見上げないといけない。


そこにはクッキリとしたシャープな輪郭があり、大きな目が前を歩く2人を見ている。


その様子を見ているだけで心臓がドクドクと跳ねて来る。


充弘はあたしのことをどう思っているだろうか?


クラスの中では仲がいいと思うけれど、なんせ充弘はよくモテる。


あたしなんてただの友達で眼中にないかもしれない。


そう思うと途端に寂しく感じた。


一穂は一生懸命アピールしているけれど、あたしは自分の立ち位置がわからなくて動けずにいる。


このままじゃ一穂に先を越されてしまう。


そう思った時だった。


「危ない!」


と、真横から声が聞こえてきて、次の瞬間あたしは充弘に抱きすくめられていた。