この学校の先生ならエレベーターが壊れているかどうか、知っているはずだ。


そう思ったあたしはすぐに先生に駆け寄った。


「先生! このエレベーターって本当に壊れているんですか?」


「エレベーター? あぁ、もう何年も前から使われてないからなぁ。動いたところは先生も見たことがないんだ」


先生も見たことがないということは、随分前から停止しているのだろう。


「誰かがイタズラでドアを開けたりしないように、頑丈に溶接されてるらしい」


「そうなんですか……」


あたしはエレベーターのドアを見つけて呟いた。


溶接されているのから、誰から乗ることも不可能だ。


「さ、教室へ戻れ」


先生に促されて、あたしたちは1年B組の教室へと戻ったのだった。