エレベーター

「あたしからも質問する。どうして幸生が入院したままにならなきゃいけなかったの?」


それはヒドく憎しみの籠った声だった。


よく知っている一穂なのに、その声だけで体中に鳥肌が立った。


憎んでいる。


一穂は本気であたしを憎んでいるのだ。


「あんたのせいじゃん! あんたが変なことに巻き込まれるから、幸生があんなことになったんじゃん!!」


一穂は唾を飛び散らせながら叫んだ。


あたしは思わず後ずさりをする。


「ご、ごめん一穂……」


あたしだって巻き込まれたくなかった。


そのことだけは信じて欲しかった。


「幸生は自分から放課後残るって言い出したんだぞ」


充弘がそう言うと、一穂が鋭い視線を向ける。


これ以上今の一穂を刺激しない方がいい。


あたしは充弘の腕を強く掴んだ。