次第に意識が遠のいていくのを感じる。


力が抜けて行き、ボタンに伸ばしていた手が落下してしまった。


もう、声をあげる元気もない。


「やっぱり、咲子ちゃんは綺麗だね」


あたしが最後に聞いたのは、前原君のうっとりするような声だった。