エレベーター

☆☆☆

保健室のベッドに横になると、一気に睡魔が訪れた。


最近よく眠れていなかったのが原因みたいだ。


あたしは横になって5分と立たないうちに夢の中に引き込まれて行ったのだった。


「美知佳、大丈夫?」


その声にハッとして目を開けた。


見ると保健室の天井が視界いっぱいに広がっている。


そうだ。


あたしは保健室で眠ってしまったんだった。


慌てて上半身を起こしたのと、カーテンが開かれたのはほぼ同時だった。


カーテンの向こうに立っていたのは一穂だった。


その顔を見てホッと安堵のため息を吐きだす。