エレベーター

今、あたしを狙って落とされたよね……?


指先で鼻に触れてみるとネットリとした感触があった。


それをぬぐって確認してみると血がこびりついているのがわかった。


さっき植木鉢が鼻先をこすって行ったときに傷ついたのだ。


そう理解した瞬間、倒れてしまいそうになった。


昨日の信号と言い、今日の植木鉢といい、咲子さんは確実にあたしを殺しに来ているとしか思えなかった。


「誰だよ、クソ!」


そう呟き、充弘は校舎へと駆けて行った。


植木鉢を落とした犯人を捕まえようとしたのだろう。


でも……その犯人はすでにいないだろうということを、あたしは理解していたのだった。