3人で学校を出るとすでに周囲は薄暗くなりはじめていた。


「これからどうするつもりだ?」


「もちろん、この咲子さんの家に行ってみるつもりだよ」


住所を確認して、一駅先の街だということがわかっていた。


バスで行っても大した時間はかからない。


「一穂、足止めしてごめんね」


もうすぐ面会時間が終ってしまうと思ってそう声をかけたけれど、一穂は決意を固めたように「あたしも咲子さんの家についていくよ」と、言った。


「いいの?」


「うん。ここまで来たんだもん。ちゃんと最後まで確認したいじゃん」


「そうだよな。俺も同意見だ」


充弘も頷いている。


「2人とも、あたしに付き合ってくれるの?」


驚いてそう訊ねると、2人は同時に頷いてくれたのだった。