エレベーター

「今起きたことと、過去の出来事と、どう関係があるんだ?」


「それは……」


そこまで言って、口をつぐんでしまった。


どう説明すればいいだろう。


清田先生が信用してくれるような嘘が思いつかない。


「君たち本当は課題なんてないんじゃないか?」


清田先生の言葉にあたしは一瞬息を飲み、そしてあからさまに視線を逸らせてしまった。


こんなんじゃ、嘘をついていたと肯定しているようなものだった。


「やっぱりそうか。一体なにがあった?」


こうなったら、もう素直に全部話すしかない。


どうせ、信じてもらえないだろうけれど。


あたしは覚悟を決めて口を開いたのだった。