ごめん。ぜんぶ、恋だった。




校舎は昼休みになると息を吹き返したように騒がしくなる。どこもかしこもうるさい校舎を離れて体育館裏で昼食を取るのがいつもの日課だけど……。


「なんでこんなことになってんの?」

なぜか目の前には仁菜と速水がいる。

どうやら廊下でたまたま遭遇して、志乃がふたりのことを誘ってきたらしい。

仁菜はいいとしても、速水はいらねえ。


「だってほら、昨日柊が睨んだりして速水くんに迷惑かけたでしょ。だからお詫びもかねてみんなでご飯食べないって声かけたのよ」

「迷惑だなんて、そんな!俺たちが通路の真ん中に座っていたのが悪かったんです」

「速水くんっていい子だね。柊みたいに後輩に悪態(あくたい)をつく先輩にだけはなっちゃダメだよ?」

いつの間にか志乃まで速水と仲良くなっている。

せっかく今日はいつも売り切れの焼きそばパンを買うことができたっていうのに、味が不味く感じて仕方がない。

しかもピクニックかと突っ込みたくなるほど四人で円を描いて座っていて、もちろん仁菜の隣は速水だった。