見慣れた後ろ姿と横顔は、毎朝盗み見ている服部くんだ。

初めて見るジャージ姿も格好良くてドキドキする…。

うるさく騒ぐ心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかと思うと、余計にバクバクドキドキしだして緊張してうまく呼吸ができない。

そんな私に背後から

「おはよう藤咲」

と柔らかな声が掛かる。

びくん!
と飛び上がり振り向くと

「ごめん!
急に声かけたから驚いた?
おはよう」

「おっおはよう、きっ叶くんっ!」

そこにはにこにこ笑う写真よりも実物のほうが何倍も、ううん、何百倍もイケメンな美月の想い人宮前叶くんが立っていた。