違うんだけど…いや、甥っ子なんで言って伝わんのかこれ。…多分無理だよね?


「…姫莉ちゃん、いる?」
「おねーちゃんね、今ね、お布団でゴロゴロしてるよ!」
「茉莉、ちょっと黙って」


天真爛漫、って感じの茉莉ちゃん。
対して、面倒を見てる弟くんは死にそうな顔をしている。
弟くんは茉莉ちゃんを抱き上げて、はぁっとため息をつくと、じっと俺のことを見た。


「…なんも出すもんないけど、姫見たら帰ってくれる?」
「うん」


あ、普段は姫って呼んでるんだ、なんで若干の関心を抱きつつ、お邪魔します、と弟くんの後をついていく。


通されたのは前来たときとは違う部屋で、寝室ぽかった。
4人分の布団が並ぶ、ちょっと狭めの部屋。


布団が膨らんでいたのは1番奥。
姫莉ちゃんがいるのはあそこっぽい。


弟くんは忙しいのかして、俺を部屋に押し込むと何処かへ行ってしまった。


いそいそと姫莉ちゃんに近づいてみる。


「…ゆーり?」


いや、ゆーりって誰だよ。
…あ、弟くんか。