Get over it.

俺の前に座る若姐が口を開いた。

「私は、ここ大神組若頭、大神龍生の妻の大神玲です。
 響さん、朝陽さん、律さん、お久しぶりです。」

「やっぱり、玲なのか・・・。
 ・・・大神組の若姐になっていたのか」

ずっと探していた玲が今、目の前にいる。

でも、あの頃とは違う容姿に戸惑う俺がいる。

そんな俺の頭の中を読んだように、大神龍生が話出した。

「お前等の知っている玲とは容姿が違うって思ってるだろう?
 でもな、これが本来の玲だ。
 お前達が知っている玲の姿の方が、偽物の作り物だ。」

「ど・・どういう事だ・・・。」

「私のこの髪や瞳の色って黒じゃないでしょ。
 亡くなった父親がロシアとのハーフだったらしいんだけど、この
 容姿を義父が嫌ったの。
 だから、いつもコンタクトとカツラで隠してた。
 でもね、龍生はそんな私の偽りの姿に気がついてて、ガーディアン
 から追い出され、家からも追い出されて行くところがなくなった
 私に、全てを捨てて本当の姿でついてこいって言ってくれた。」


「お前達は玲と違う学校だったから知らないだろうが、玲はお前達と
 いるようになってから、かなり絡まれていた。
 いつでもどこでも落ち着くところがなくて、辿り着いたのが俺が
 いつもいた図書室だ。
 そこで、俺達はいつも話をしていた。
 玲に聞いたことがある、何故ガーディアンから離れないのかと。
 そしたら、こいつは何て答えたと思う?」

その問いに俺は分からず頭を横に振った。

「自分の事を信じてくれる人達がいる大事な居場所だから、自分から
 は離れる事が出来ないって。
 そう言ってたんだよ。
 だから、俺は辛そうにしながらも耐えている玲を見てるしかでき
 なかった。
 でも、お前達が玲を信じなくて追い出したことで、俺は玲を自分の
 ものにすることができた。
 だからな・・・玲にしたことはムカつくが、感謝もしてる。」

そう言うと、玲の頭を自分に引き寄せ口元に笑みを浮かべた。