「やっとここまで来られましたわ。
此処が、隣国アルファディアなのですね。
さあ、わたくしの第二の人生始めますわよ!」



夜風で、わたくしのブルーグレーの柔らかな長髪が靡きますわ。

山の上空を、ふわふわ身体を魔法で浮かし、頂上から山麓迄降りて参りましたの。

本来なら山の中に、沢山の野獣が生息しておりますのよ。
昼間でも、それ相応の武装しております、警護に護られていませんと、人は滅多に入れない場所なのですわ。

わたくしは、ふわふわ魔法で浮きながら、真下に見える木々と先にある街を眺めましたの。



「そろそろ街に、近づき過ぎてしまいますわね。
深夜といえども、浮いている事が見つかれば。
魔法が衰退したこの時代では、大変な事になるでしょう。
仕方ないですが、此処からは歩きで参りましょう」



わたくしは目を閉じて、身体に纏わせていた魔法を、心の中にしまい込みましたのよ。


そっと足が地に着き、歩いて進もうとした時、背後から暖かいものに優しく包み込まれました。



「愛しているマシェリー」




the end






《国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?》連載中なのですが、エドウィンのその後が書かれています。気になる方は是非ご覧いただけると嬉しいです。