「はあ‥‥」



幼なじみで隣に住んでいる詩之川 雨花(しのかわ うか)。



頼りないけど可愛くて、優しくて、俺は大好きだった。



気がついたらもう、大好きで、いつ好きになったのかなんて覚えていない。



高校に上がるとき。



俺はスポーツ推薦で県立明星高校に入った。



雨花は第一希望の高校が難関校、私立花鳳学院、第二希望が俺と同じ、明星高校だった。



正直俺は、第一希望に受からなければいいのにって思ってしまっていて。



「彩誠!受かった!受かったよ!」



そう笑顔で報告してきた雨花に、何も言えなくなった。



「よかったな」


無理やり口を動かす。