『なあ柚琉、お前、舞子のこと好きなのか?』



「好きだよ」



そういうとお互いの間に沈黙が流れる。


『‥‥どういう意味で?』


「‥‥友達・幼なじみとして」



そういうと、ウミがだんまりする。


『‥‥舞子を泣かしたら許さないから』


「泣かすかよ」



ニヤリと笑って答える。


じゃあ、と電話を切る。




‥‥アイツも内心穏やかじゃないだろうな。



小さい時から舞子のこと好きだったもんな。



‥‥ウミも舞子も強い。



じゃあ俺は?


流されて舞子と付き合って、じゃあ澤原はどうするんだ?



無理だから諦めるのかよ?



3人の中で俺が、一番弱いかもしれない——。