「小菅くん?」
ぼーっとしていた俺を心配するように下から見つめてくるのは澤原 歌乃笑。
同じクラスだ。
隣のクラスにいる澤原 来乃笑と双子。
美少女姉妹と呼ばれている。
下から見つめてくる澤原を見ると、急に顔が熱を持つ。
俺は慌てて首を横に振る。
すると、澤原はぷっ!っと吹き出した。
「なんで急に首振ったの?」
面白そうに聞いてくる。
俺はその笑顔に釘付けになった。
最近の俺は、少しおかしい。
気がついたら澤原を目で追っていたり、急に顔が熱を持ったり。
その気持ちは、ウミをはじめとする友達には全く言えなかった。
恥ずかしかった。
「ゆーずるー!」
「わ!」
「なによ」
舞子が不満そうな顔をする。
俺はすぐに澤原から目をそらす。


