去年の夏以来だし、今年は受験だから遊びたいとか言ってもダメそうだし、これがきっと最後だろうな。 「もうすぐだぞ」 「渋滞しなくてよかったわねぇ」 「わあ……」 「水平線!」 海沿いの道に出た途端、視界が大パノラマになった。 空と海の境界線が、どこまでもどこまでも続いている。 早朝の、まだ低い太陽をキラキラと反射させて波が輝く。 凪いだ沖は鏡みたいに空の色を映していた。