色んな後悔が、山根さんの中で溢れてもう抑えられなくなっているのがわかる。 それでも生きて、歳をとって、おじいちゃんになって孫を抱っこしてほしいと思うのは、あたし側のワガママなのかもしれないと思った。 この地で、命を終えれば誰にも彼が人殺しをしたかなんてわからない。 それが山根さんの幸せなのかもしれない。 どのみち、選択肢なんかない。 山根さんがそう言って閉じた瞼から、一筋だけ、涙がこぼれた。 今度こそ、本当の極楽に行くんだね……