あと数m爆撃がずれていたら、あたしはここに来たあの瞬間に死んでいたかもしれない。 あと数㎝川の幅が広かったら、あたしもあの川で死んでいたかもしれない。 かもしれないの連続をかわして、今あたしは生きている。 これから先もきっとそう。 運任せ。 出来ることは、水も食べ物も必ず火を通す、ケガをしたらとにかく洗う、そんなことくらい。 山根さんがこのまま自力で解熱してくれるのを、あたしたちはただ、待つだけだ。