ご飯の炊ける匂いが、今日の疲れを吹き飛ばしてくれる気がした。 みそ煮缶と一緒に炊いていて、甘い味噌の香りが鼻をくすぐる。 「もういい頃だな。蒸気が熱いから顔をひっこめろよ」 「あ、うんっ」 匂いにつられてテントから出ていたあたしは、少し火の側に近寄りすぎていたみたい。 意地汚いと思われたかな? 恥ずかしい… 「わあ…」 「上出来だ」