「それにしても、女にしておくのがもったいない顔だな」 「それ、褒めてないよ」 「あはは、すまんな」 すっかり坊主頭になったあたしを満足げに眺めて、昇さんが冗談めかして言った。 どうせ男顔ですよっ。 結局、殺されるのかと焦ったのは取り越し苦労で、だけど女のあたしはここで一旦、死んだ。 白い服は目立つからと、汚れていない部分も泥を付けてわざと汚した。