「ああそうだ。ホルランヂヤでもお前に会ってるな」 「え?」 「海岸で会ったろ。着てるものが違うけど、髪が同じだ」 「あ」 昇さんは肩から掛けたカバンの中から、古めかしい型のカメラを出して掲げてみせた。 あの砂浜で見た軍人さんは、昇さんだった。 校外授業だったから、あの時は制服だったんだっけ。