「すげーな……鏡になってんだ」 「あ……」 ガラス張りのビルの隙間から少しだけ見える花火が、鏡のようになった壁に映っていたのだ。 欠けた花火は円になり、小さな花火も反転して数を増している。 空高くにまるで万華鏡のような美しいパノラマを作り上げていた。 「綺麗……」 「な、やっぱ最高だったろ」 「うん!」 連続で花火が打ち上がり、昼のような明るさ。 私たちは足を止めて、その幻想的な世界を眺めていた。