毎朝、教室に入ると、疎外感がピリピリと肌を刺す。 「……おはよう、菜々美」 菜々美は隣の席だから、必ず声を掛けている。 「はよ……」 低い、小さな声で、一言だけ。 これが今の私と菜々美の距離。 ラインもずっと既読にすらならない。 ちゃんと謝りたいのに、謝る機会が持てないまま、時間だけがどんどん過ぎる。 それでも返事をしてくれていることで、いつかきっと……と希望だけは捨てないつもり。