着替えを手に取って立ち上がった所で、何も言われないままこの部屋に泊まっていた自分に気付く。 忘れてた。 荷物は一旦持って来たものの…… って言っても鞄一つで収まる程度なんだけど そういや、住む場所も面倒見てやるって言ってたような。 ひょっとしてその話か?? そう思ったら気が楽になって、エレベーターの社長室……と書かれたボタンを押してやる。 四角い箱は、異常に早いスピードで下って行き、あっという間に扉は開いた。