どこのどいつだか知らないけれど、これ以上詩織が罵倒される姿は見たくなかった。 もちろん、そういう姿を詩織が人に見せたくないであろう事だって分かっていたけど…… それでも、俺にだけは見せてもいいって、そう思って欲しくて。 「ふん、趣味の悪い。とにかく、ちゃんと考えときなよっ。また来るからね!」 大きな背中を揺らしながら、鼻息も荒く去って行くおばさん。 そして……残されたのは、悲しそうに瞳を伏せた詩織と、何も言えずに向き合った俺だけ。