する事の無い俺は……いや、今一番の仕事として今日もかなえをエスコートして街を歩く。



隙をみて提案してみようか。



やっぱり無理だって。



出来る筈が無いのに……。



そんな迷う気持ちを知ってか知らずか、口を開くタイミングすら与えられないままデパートの家具売り場へと付き合わされる。



「リビングは赤で統一する?それともシックにモノトーンかな?」



二人で暮らす家があって、そこに置かれる家具を一緒に想像したその瞬間、急に頭の中で何かが弾かれる。



違う……。