もしあのトイレがなくなったら、その時あいつはどうなるのだろう。
トイレとともに朽ち果てるのだろうか。
いや……凄まじい怨念と呪いの力を持つあいつが、おめおめと消えるわけがない。
入学式の前からずっと胸騒ぎがしている。まるで大雨が降る前の真っ黒い雲のようなもやもやしや物が心の中に立ち込めている。
だから入学式で思わず、トイレに近づかないようにと言ってしまった。
何もなければ良いのだが。勇吾はにらむようにトイレをいちべつして背を向け、歩き出した。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…