【短】じっとできない



「……信じられない…」

「ごめん」

「ごめんな?」

二人に同時に謝られても、一体自分がどうしたらいいのか…分からなかった。


「好きだからとか…渡さないとか…なに?」

「朱里亜…」

「二人して…私の、気持ち掻き乱して……私人形なんかじゃないのに…」


私はそう言うと、一旦言葉を区切る。


汰一に好きだと言われて嬉しいのに。
あっきーに好きだと言われても嬉しかった。

こんな私はなんて浅はかなんだろう。
二人の合間で、今私はぐらついてしまっている。


だから…汰一に抱き締められたまま、あっきーを見つめて二人に告げた…。

「私、汰一が好きだよ?でも、あっきーのことも大好きだよ…こんな私でも、汰一は好きだって言ってくれる?あっきーは…幻滅しない…?」

抱き締められた腕にきゅうっと手を置いて、そう言うと汰一がすぐに言葉をくれる。

「好きだ。秋成のこと好きでも、朱里亜だけは渡せない。今まで幼馴染ってカテゴリで抑えつけてたけど…そんなのもうどうだっていい。朱里亜がいい。俺は朱里亜しかいらないよ…」

あっきーはそんな私たちを見て、くすりと笑う。

「ほら、だから勝ち目ないっての。朱里亜は俺を好きって言ってくれるけど、それは友達として…だろ?けど、好きって言ってくれてすげぇ嬉しい。だから、幻滅なんか絶対しない。……惚れた弱みなんだけどなー…」

そして、あーぁ…と後ろ手で頭を抱えて、あっきーは苦笑する。

「汰一は初恋成就だな」

「ちょ、お前ぇー…暴露すんなよ。ハズいだろ!」

「何だよー…いいじゃん、これくらい。なぁ?朱里亜?」


あっきーは、にやりと笑って未だ汰一に抱き締められてる私にそう言ってくる。


初恋成就……?