ざわざわと忙しくうごめく雑踏の中で、今リメイクされた人気の映画の3本立てを観に行くべく、あっきーが待つ場所へ向かう私。
本当は勉学に励んでテストに向かわねばならない身だから、そこそこのオシャレに、そこそこのメイクを施して、私は腕時計を見てから予定時間ギリギリなことを知る。
「やばっ」
「…と、思って迎えに来たよーん。じゅーりあ」
「?!」
「へへーん。びっくりしたしたー?こういう時は女の子を焦らせない方が良いってね」
そこに突如として現れたのは、まだ待ち合わせ場所には程遠い所にいるはずの、あっきー。
したり顔のあっきーは、眩しいくらいの笑顔をたずさえていて、周りの女の子の視線を掻き集めていた。
私はその隣で一応メイクで隠してきたけれど、腫れぼったい瞳を気にして俯いた。
「ほーら。お姫様?そんな顔してないで、今日は1日楽しもー!」
「………ふふっ。あっきーってば滅茶苦茶テンション高い」
「……だって、念願のデートだからね………」
「…え?」
「なんでもなーい。ほらほらぁー早く早くー…」
あっきーの小さな小さな呟きは、煩いくらいの街のざわめきに掻き消され、この耳には伝わって来なかった。



