中島くんが戻ってきたのは、ちょうど1時間後だった。
4人そろってお店を出ると、そこにはすでに三成の家の送迎車が停まっていた。
というのも、今日は夕方から三成の家のシアタールームで映画を観たあと、みんなでディナーという予定になっているからだ。
あたしは何度も断ったのに、三成に強引に約束を取り付けられてしまった。
「相沢様、どうぞ中へ」
運転手さんがドアを押さえながら促してくれる。
慣れない扱いにどきまぎしながら車に乗り込んだ直後、あろうことか本多くんがとなりに座ってくるので心臓が止まりかけた。
特に用もないのにスマホを開いて、どうにか意識を逸らそうとする。
本多くんに続いて中島くんが後部座席に、三成が助手席へ座ると、車はまもなく走り出した。
三成の家はとにかく大きい。
敷地は校庭よりも余裕で広いし、中にはプールが付いている部屋もあるんだとか。
楽しみ……だけど、今はそれどころじゃない。
車内が静かなせいで自分の鼓動がよけいに大きく聞こえる。
本多くんの耳にも聞えるんじゃないかと焦りながら、きょろきょろと不自然に目を泳がせてしまう。
すると、フロントミラー越しに三成と目が合った。
「あのさあ、萌葉」
「っは……はい」
「今日、本多と一緒にうちに泊まっていかねえ?」



