暗黒王子と危ない夜【final】


あたしは人見知りで口下手だし、最初はうまく話せないかもしれないけど……いつか仲良くなってみたい。


「……まあ、そー……ね」


中島くんがふいに表情を曇らせた。その視線が気まずそうに泳ぐ。

あんまり乗り気じゃないのかな……?

そんなことを思いながらグラスを口に運んだ、そのときだった。


「あー、そういや。中島の彼女、萌葉と中島が付き合ってるって一時期勘違いしてたんだっけ?」


突然、三成がそんなことを言うのでむせてしまう。


「あたしが中島くんの彼女……っ? どう、して……」

「前に、七瀬の代わりに中島がお前を送ったことあっただろ? それを西高の生徒が目撃してたらしいわ」


さあっと血の気が引いた。

勘違いとはいえ、中島くんと一緒に帰ったりしたことは事実。

そっか……だから中島くんはあたしを彼女に会わせたくないんだ。


「あの、中島くん、そういうことだったら、全然無理しなくて───」

「なに、その話。おれも初耳なんだけど」


慌てふためいたあたしの声は、本多くんによって冷ややかに遮られた。