「それで山口先生がどうしてここへ?
この人の横に座って
見せ付けるかのように手を繋いでんの?」
陽二さんがそう聞いた。


子供達と雅人さんの面識は
川相病院の顧問弁護士なのであるのだ。


「ああ陽二くん
紹介遅れたけど愛華さんは婚約者なんだ」
と雅人さんが私の事を婚約者だと説明した。


「はぁ?そんな身近で纏まっていいわけ?
父さんがそう仕向けたんじゃない?
弁護士って金あるし山口先生って
金持ちの御曹司だし
父さんも娘が玉の輿にのれば心配ないよね」
また嫌な事を言う大志くん。


グサグサと突き刺さって胸が痛い。


「そう言う言い方はやめなさい」


川相さんが怒ったように大志くんに言うと
お母様が台所から
「大志嫌なこと言うのはやめなさいよ」
とお盆にみんな分の飲み物を挿れて
リビングへとやって来た。


初めて見る川相さんの奥様
お嬢様だったんだろうなと言う雰囲気の女性
母さんのように苦労してなさそうな
小綺麗な女性だ。


「初めましてよくいらしてくれたわね」
  

「お招きありがとうございます」


「貴女に会いたかったのよ
お母様がここにいらしてくれてないのは
残念だけど貴女に会えてよかったわ」


「ありがとうございます」


するとまた大志くんが
「母さん!そんないい顔しなくてもいいよ
親父が浮気していた相手に普通会いたいか?
オレだったら無理だな
どこかでのたれ死んで欲しいと思うよ
しかもさ勝手に子供産んでさ
今頃になってこんなこと言われてさ
母さん普通の神経じゃねーだろ!」


のたれ死んで
その言葉が1番胸に突き刺さった。