皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

なに、この人…。



ものすごく…うまいじゃない…。



すごく踊りやすい。



リードの仕方完璧すぎる。



今まで踊った相手が子どもに思えてしまう…。



「さすがです、殿下…」

「久しぶりだな。間違えた」

「どこをですか⁉︎」

「わからなかったのか?お前、完璧とか言われてたくせに大したことないな」



なんでもできる男って、本当にいるんだ…。



いや、なんでもじゃない。



殿下は女性に優しくできないもの。



「他の国の言葉は覚えたのか?」

「あっ、大陸の言葉ならば幼少期に学びました」

「…………お前の父は、俺の嫁にするつもりでお前を育てたのか?」

「はははっ、そうかもしれないです」

「ムダだったな」

「なにが、ですか?」

「杞憂だったと言ったのだ。お前がそろそろ泣いていると」



えっ、もしかして心配してきてくれたの?



どんな心境の変化…。



こ、怖すぎる…。