皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

濡れた髪を乾かして、お互いベッドに入る。



絹糸のような紫色の髪が、俺の顔をくすぐる。



「アリス…」

「はい?」

「なんでもない…」

「なんですか、それ…」

「ただ、呼んでみただけ」

「殿下」

「なんだ?」

「呼んでみただけです」

「お前…腹立つな…」

「仕返しです…」



大きな瞳が俺を見ている。



顔に似合わずデカい目と、小さいピンクの唇。



鼻も小さくて、昔読んだ童話に出てきたエルフのようだ。



「俺を殺したいか?」

「殺したいですー‼︎意地悪ばっかりするのだもの…」

「優しくしたら、そう思わないのだろうか」

「優しく…?逆に気持ち悪いです…」

「お前…やっぱり腹立つ…」



クルリと背を向けた。



なんだ、このホッコリした気持ち…。



落ち着く…?



それに似ている…。



「優しくできる気がしない…」

「いいです、それで。わかってますから」

「なにを?」

「殿下が意地悪なこと」



やっぱり、アリスは面白い。