皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

そう思っていたら、この国の王である、父の弟の所で国政に関わってもいいと言われ、とにかく喜んだ。



父は皇帝、俺の叔父が国王だ。



たまらなく嬉しくて、父の役に立てるかもしれないと浮かれた。



そしてついに。



「本日よりお世話になります、国王陛下」

「頭をあげて顔を見せてくれ。他人行儀な挨拶はいらないよ、リューク」

「叔父上…。お久しぶりです」

「元気そうでなにより。で、今日からリュークには、俺の仕事を手伝ってもらうわけだけど、そうだね…。社会勉強しようか」

「社会勉強…ですか?」

「少し、身分を隠して下町暮らしでもしてみるといい。この国が抱える問題が見えたら、戻っておいで」



えっ?



俺、会議とかに出てもいいんじゃないの?



下町暮らし…?



あの…。



「殺されるかもしれないんですが…」

「逆に城より安全かもよ?くれぐれも、皇子だとバレないようにね、リューク」

「はい、叔父上」



叔父上の命により、俺は数年の下町暮らしを余儀なくされた。