父上から信頼されている、陛下直属の部下なのだ。



先日、妹が嫁いだ国からの連絡があり、父の代わりに遠征に出ていた。



「ファーガス団長が不在で、父との言い争いを止めるものがアレンしかいなくて困っていた」

「それはそれは、アレンの苦労が身に染みますな」

「最近よくぶつかるのだ…」

「それは陛下が殿下に期待しているからにございましょう」



そうだといいのだがな…。



訓練を眺めながら、ボーッとしてしまった。



本当、どうして後宮なんて面倒なものを作ってしまったのか…。



まず、結婚自体が嫌だった。



女に私生活に入り込まれることも、出来る限り遠慮願いたい。



『従順な女ならいい』という俺の言葉で選ばれた3人は、父親が『裏切る心配のない者』ということが前提のようだった。



それから、街での噂や見た目など、アレンの独断で選ばれて、名前と経歴だけを見せられた俺が選ぶのが面倒で全員連れてきた。



結果、完全に失敗した。



ただ面倒が増えただけ。