後宮には顔を出さず、次の日は騎士団の訓練を見る。



「今年はどんなのが入ったのだ?」

「元気なのが10人ほど。弟であるアレクサンダー様も、先輩になりましたな」

「最近アレクに会ってないので、少し話をしたい。時間はあるか?」

「訓練が終わったら休憩ですので、お呼びいたします」



俺が任されている騎士団は、5つの部署でできてきて、それぞれに団長、副団長がいる。



実力主義の騎士団は、入るのが難しいのだ。



兵士や警備隊が、毎年試験を受けても受かる者は数人。



超難関の試験を、最年少で突破したのが、俺の隣にいるジェードなのだ。



「これはこれは、お久しぶりです、殿下」

「ファーガス団長、いつ戻られた?」

「昨日ですよ。今まで陛下に報告に行っていたので。出迎えもできずに申し訳なく思っております」

「妹は元気であったか?」

「えぇ、それはもう。なんか、パワーアップしていたような気もいたしました」



全ての騎士団を纏めているのが、このファーガス団長。