だから治さずに、そのままにしている。



実際、執務の進みが遅くなっているがな。



「ジェード、アリスの様子は?」

「昨日、お茶会を開くと他の妃に手紙を送っていました」

「それはいつになるのだ」

「1週間後とのことです」

「長い‼︎」

「宰相にも『待て』といわれたのでは?」

「俺は犬じゃない‼︎」



なんなんだ、妃って。



本当にめんどくさいな。



どれでもいいから子ども作ればいいんだろ?



なぜ俺がこんなに気を使わなきゃならないのだ。



「仕事してください、殿下」

「やる気が出んのだが」

「明日は騎士団の視察ですよ…」

「そうだった。久しぶりに城から出るな」

「騎士といえば、アリス様の兄が騎士でしたね」

「どこの所属だ?」

「わかりません。名前を聞かないので、目立った感じではないですよ、たぶん」



ジェードにしては珍しく答えられない質問をしたようだ。



疲れてるのだな、ジェード…。



俺が負担をかけすぎているのだろう。