少し見直したのに…。



なぜか私は今日も殿下と大きなお風呂に入っている。



どうやら、頭を洗ってもらうことがお気に召したようだ。



「これ、寒いのですよ…」

「来い。温めてやる」

「大丈夫です。自分で温まります…」



離れて入ると、とても不満そうな顔。



その目、怖いんですってば…。



誰か殺しそうな目をしてるの…。



「遠いな」

「タオル奪われると困ります…」

「昨日見たと言っただろう」

「殿下も隠した方がいいですよ、ソレ…」

「ソレとは?よくわからかいな」

「えっ、最低ですか」

「お前、よく今まで黙って親に従ってきたな…」

「だって、強くならなければここでは生きていけないと思ったのです。変わる努力をしてるのです」

「そうか、いいと思うぞ」



褒められた…?



殿下も誰かを褒めることがあるのか…。



なんか、痒い…。



「先に出るぞ」

「お着替えは?できますか?」

「こんなもの、怪我のうちにも入らん」



えっ、お風呂に入ってから言う…?