皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

これは、私の戦い。



いつまでも、人形でいたくない。



私の意思は、私のものなのだから。



「言うようになったな」

「殿下っ…」



近づいてきた殿下に抱き込まれた。



今までにない楽しそうな顔。



「そういうのは嫌いではない。俺は何をすればいい?」

「殿下は…黙って見ててください。そして、離れてください…」

「なぜだ。俺の妻なのだろう?近づいて何が悪い。昨日裸で抱き合った仲ではないか」

「そ、それは殿下がお風呂で勝手に…」

「今日も洗ってもらおうか。今度は全部」

「ぜ、絶対イヤですっ‼︎あっ、病み上がりなので…」

「俺を拒否する女もいるんだな」



どれだけ自信過剰なの。



でも、殿下がどんな人なのか、少し分かった気がする。



「手が痛くて使い物にならないのだが?」

「そ、それならメイドに…」

「誰が、俺の指をかじったんだったか」

「卑怯です…」

「では、風呂の準備をしてもらおう」



やっぱり、最低だ。