皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

あの殿下からは想像もできないくらい小さくて華奢。



4人も産んだなんて、嘘みたい…。



「殿下の指を思いきり噛んでしまったのですが…」

「大丈夫。リュークだって男の子よ」

「申し訳ありません…」

「謝らなくていいわ。危ないところだったわね。リュークの初期対応がよかったみたいよ」



そうなのか…。



なら、ちゃんとお礼を言わなければ…。



「で、あなたはどうする?こんな場所から出て行きたくなったのではない?」

「いえ、そんなことは…」

「強くおなりなさい。負けてはいけない。戦うの。誠実に、素直に、ぶつかって欲しいと思っています」

「皇后様…」

「あの子は少し、人を信用することに不安があってね。特に女性には厳しいところがあるのだけれど…根は、とても優しくていい子なのよ」



殿下がいい子…?



顔にお湯かけただけで『死にたいのか』って言われたのですが?



おっとりしてるというか、フワッとしている皇后様と話して、私も覚悟を決めた。