皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

【アリス】



どうして私がセレスティーナ様に嫌がらせをするの?



父には悪いけど、私は側室さんで構わない。



だって、怖いのだもの。



この目が私を捉えて、殺されるんじゃないかと思うほどの鋭い視線を与えられて。



体が勝手に強張る。



「どこを見ている」



裸で膝の上に乗せられて。



顔を逸らせば顔を掴まれて目を合わせられる。



泣くもんか。



怖くても、我慢する。



「セレスティーナを正妃にしようと思っている」

「そう、ですか。お見かけしたセレスティーナ様はお綺麗な方でした」

「あぁ、顔はな」

「とても、お似合いかと…」

「お前は父親に正妃になれと言われたのではないのか」

「そう、ですけど…」

「で?どうする。戦わずして敗北か」

「戦う術を、私は持ってないのです。私には、なにもない。人形なのです、父の…」



なにもない私に、どう戦えというの。



ここに来てから、私は自分を隠すのに必死なのに。



殿下があまりにも予想外のことをするから、偽ることが難しい。