皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

初めて入った後宮の大きな風呂は、他の妃がかち合わないように、風呂の前に後宮の管理人がいるようだ。



「ジェード様がこだわり抜いた湯でございます」

「そうか。堪能してくる」

「メイドは必要でございますか?」

「いらん。アリスが来たら通せ」

「承知いたしました」



大きな風呂は、いつか父上と視察で行った先の『温泉』のようだ。



風呂が好きな俺が気に入り、何度も入って具合が悪くなった幼少期の思い出。



ジェード、忘れてなかったのだな。



花が浮いていて、とても広い空間。



ベッドのようなものもあり、マッサージやエステがここで受けられるようだ。



「ヤバイな…」



とても気持ちがいい…。



ゆっくりつかり、目を閉じて今日を振り返る。



俺がまだまだなのか…。



父上は修羅場をくぐり抜けてきた経験があるが、俺にはない。



実務経験の差、なのだろうな…。



その時、ヒタヒタと歩く人の気配。