皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

最近、どうにも父とうまくいかない。



反省会の申し出も、母上と約束があると断られた。




イライラが治らない。



「本日はアリス様の元へ向かわれるのですよね」

「あぁ…。ジェード、タバコくれ」

「ほどほどに」



イライラすると、タバコに手を出す。



警備隊時代に覚えた酒とタバコは、王都の貴族の実態を知った時から苛立ちを抑えるために使うアイテムのようなものになっている。



普段は吸わないようにしているが、今日はムリだ。



「で、殿下…」

「嫌そうだな、アリス」

「いえ、そんなことは…」

「お前は私の妃であろう?さぁ、俺の機嫌を治せ」

「やっぱり、怒ってらっしゃいますよね…」

「なぜそう思う」

「殺人鬼のような目をしているので…」



そんなに俺の目が怖いのか。



正直だな、お前…。



「風呂に入る」

「わかりました」

「お前もだ」

「は、い?」

「大きな風呂を作ったとジェードが言っていたからな。後から来い」



絶望的な顔をするアリスに、笑いがこみ上げた。