【フィンリューク】



親になるということは、責任を背負うこと。



子どもから分けてもらえる幸せを返そうと、俺も子どもを全力で愛する。



「父上ー‼︎父上、父上っ‼︎」

「どうした、そんなに泥だらけになって…」

「いっぱい捕まえたのです‼︎」



どうやら、息子がたくさんのカエルを捕まえたようだ。



うん、いらない。



返してこい…。



「ザックはすごいな。父はそんなに取れないぞ?」

「母上にも見せてくる‼︎」

「母上は苦手かもしれん。花を摘んで行った方が喜ぶと思うのだが」

「お花にする‼︎」



虫や爬虫類が苦手なアリスは、親になっても苦手。



次男、アイザックは誰に似たのか野生児だ。



逞しいといえばそうなのだが、皇族としてはいかがなものかと…。



まぁ、楽しそうだからいいのだけれど。



「陛下、皇子の帰還でございます」

「おぉ、やっと帰ったか」

「長かったですね」

「全くだ。ザックは兄の顔など忘れたのではないか?」

「そうかもしれません」



子どもには恵まれた。