皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

同じ人間とは思えないなぁ…。



殿下、羨ましい…。



「あっ、休憩を邪魔してしまったお詫びです。陛下にいただいたの、お裾分け」

「とんでもないっ‼︎そんな大事な物っ‼︎」

「…………ここに置いておきますね‼︎では、よろしくお願いします」



テーブルに小さな包みを置いて出で行ってしまった。



夢、かな?



いやいや、この残り香はアリス様がここにいた証拠。



「話しちゃった…」



誰かに自慢したくて、王城に行って戻ってから飲みに誘った同僚。



騎士の馬の世話をしている、僕の親友。



「ものすごく、いい匂いがした…」

「俺は殿下とすれ違ったことがあるけど、殿下もすげーいい匂いがするんだぞ」

「そうなのか‼︎王族って、いい匂いがするのか…」

「で、どうだった?生のアリス様」

「アレは…多分人じゃない。妖精だと思う」

「俺も間近で見てみてぇー‼︎」



今日ほど城勤めが嬉しかった日はないかもしれない。



アリス様からいただいたチョコレートは、我が家の家宝にしようと思った。