皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

近くで見るのは初めてだ。



『絶世の美女』だとか『妖精姫』だとか。



とにかく美しくて有名なアリス様が、こんな郵便物に埋もれた部屋に来るなんて初めてのことで、とにかく焦りながら礼をとる。



「いいいい、いかがしましたかっ⁉︎」

「これ、陛下から預かってきたのだけれど…休憩なさっていたのね。ごめんなさい、後でまた来るわ」



自分の用事よりも僕の休憩を優先するなんて、そんな大それたことされたら焦るしかない。



慌てて駆け寄ると、甘い香りがする。



高貴なお方はこんなにいい匂いがするものなのか…。



「おおおお、お預かりします‼︎」

「えっ、いいの?」



そう言って上目遣いで見上げられたら、男なら誰でも顔が赤くなると思う。



まるで陶器のような白い肌。



アメジストのような瞳は大きくて、ピンクの唇はさくらんぼかと思うほど美味しそう。



「大丈夫です‼︎今から王城に行こうと思っていたので、その前に少しお茶をと思っていただけなのでっ‼︎」

「なら、お願いします」



下げた頭のつむじまで可愛い…。