皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした

こんな気の利いたことができる方だったのか。



大事に箱に入れられて育った、世俗の知らないお嬢さんだと思っていたが。



「ファーガス総団長、護衛、ありがとうございました」

「いえ、簡単な任務でした」

「あっ、ボタンが取れかけています。脱いでください。あっ、針と糸はありますか?」

「じ、自分で‼︎」

「お忙しいのでしょう?貸してください。私にはこれくらいしかできないので」



日々身なりにうるさく言っている手前、ありがたい。



遠慮がちに脱げば、すぐに治ったボタン。



「では、私はこれで‼︎」

「ありがとうございました、アリス様」



満足げに出て行った。



花のいい香りが満たす司令室。



確かに、リラックス効果があるのかもしれないな。



「イメージと違いますね、アリス様」

「そうだな。癒しというか…。この花も、いい香りがする」

「アリス様の方がいい匂いがしましたけどね」

「はははっ、仕事に戻れ、バカ者」

「はっ、はいっ‼︎」



どうやら、リラックス効果があるのはあなたの存在のようです、未来の皇后様。